深いテーマ性と演出で話題になった名作、今さらながらプレイさせていただきました。
舞台は、人類が地球から追放された遥か未来。地球は機械生命体に支配されており、人類は月からアンドロイド兵士「ヨルハ部隊」を送り込み、奪還を試みている。
プレイヤーはヨルハ部隊の2B(トゥービー)、9S(ナインエス)、A2(エートゥー)らの視点で、戦いの中に潜む真実を目撃することになる――。
ゲーム概要
項目 | 内容 |
---|---|
タイトル | NieR:Automata(ニーア オートマタ) |
ジャンル | アクションRPG |
対応機種 | PS4 / Xbox One / PC(Steam)/ Nintendo Switch |
発売日 | 2017年2月23日(日本)※PS4版 |
開発 | プラチナゲームズ |
発売 | スクウェア・エニックス |
ディレクター | ヨコオタロウ |
音楽 | 岡部啓一(MONACA)ほか |
プレイ時間目安 | 通常クリア:20〜30時間/全エンディング制覇:約50時間〜 |
2017年発売だったんですね。「ニーア」シリーズは今作が2作目になるそうです。(1作目未プレイ)
1作目のニーアレプリカントとういゲームを先にプレイすることをおすすめします。今作の世界が形成されることとなった始まりの物語が描かれます。
未プレイでも十分楽しむことはできました!
良かった点
1,ストーリーと独特な世界観
『ニーアオートマタ』の最大の魅力は、深く、そして重いストーリーにあります。
この物語の舞台は、機械生命体に支配された地球。人類は月に追いやられ、地上ではアンドロイド同士が果てなき戦いを繰り返しています。プレイヤーは人類のために戦うヨルハ部隊の一員として、冷静な戦闘アンドロイド「2B」、好奇心旺盛な調査型アンドロイド「9S」、そして孤高の脱走兵「A2」の3人を通して、戦いの裏に隠された“真実”を追っていくことになります。
この世界には“人間”がいません。それでもなお、アンドロイドたちは感情を持ち、迷い、時に涙を流します。一方で、敵であるはずの機械生命体もまた、人間の真似をし、家族を作り、宗教にすがり、意味を探しています。
「感情を持たないはずの存在が、なぜこれほど人間らしく生きようとするのか?」
この問いかけが、プレイヤーの心に静かに、しかし確かに刺さります。
本作は、1度クリアしただけでは終わらない構造になっています。2周目、3周目…と視点を変えてプレイするたびに、同じ出来事の“別の顔”が見えてきます。視点が変わるだけで、こんなにも世界の見え方が変わるのかと驚かされる構成は、まさに物語体験として唯一無二。
そして、繰り返すうちにプレイヤーは、“戦う意味”や“存在する意味”そのものに疑問を抱き始めます。それはまるで、自我に目覚めた人工生命体の旅路そのものです。
1週目では2Bというキャラを操作し、2週目では9Sというキャラクターを操作して同じ物語を進めていきます。3週目では1、2週目の続きをそれぞれのキャラクター視点でプレイすることになります。
無人となった地球の風景は、どこか寂しげで、しかし圧倒的に美しい。朽ちた都市、草木に覆われた遊園地、静寂に包まれた砂漠。BGMと相まって、孤独であるはずの風景が、どこか懐かしさすら感じさせます。
ヨルハ部隊のモノクロームな装いと、感情を禁じられながらも揺れる内面。そのギャップが、世界全体に一層の深みを与えてくれます。
2,音楽と演出
- 架空言語による歌詞:現実のどの国にも存在しない“架空言語”で歌われることで、プレイヤーの先入観を排除し、純粋に感情へ訴えかけてくる
- シーンごとのBGMの使い分け:戦闘時・平時・イベント時で同じメロディがアレンジされて流れる“多層構造”
- 情緒を刺激する旋律:「Weight of the World」「City Ruins」「Amusement Park」など、印象に残る名曲が多数
✅代表的な演出例:
- 戦闘中に曲が切り替わるシームレスさ:通常戦→ボス戦→イベント戦闘…といった流れの中で、BGMが違和感なく切り替わり、プレイヤーの感情を自然と高めてくれる
- 歌が“キャラの心情”を代弁する演出:あるシーンでは、歌詞付きBGMが流れる中、キャラクターのセリフがなくても想いが伝わってくるように感じる場面も
- “静寂”を演出として使う:一切音がなくなる場面があり、その“無音”がかえって物語の重さや恐ろしさを引き立てることもある
『ニーアオートマタ』の音楽と演出は、ゲームの「BGM」や「イベントシーン」にとどまらず、プレイヤーの体験そのものを感情の物語へと変える力を持っています。
セリフがなくても、カットシーンがなくても、音だけで感情を伝える。
それがこの作品の真の“演出力”であり、何年経っても記憶に残る理由だと思いました。
3,アクション性とその遊びやすさ
アクション部分の開発はプラチナゲームズが手掛けており、『ベヨネッタ』などで培われたノウハウが活かされています。
✅ 特筆すべき操作感の良さ:
- 軽快な回避アクション(無敵フレームあり)
- ジャンプ・空中コンボなどの自由な立ち回り
- ショートカットやスキルカスタマイズによる柔軟性
ボタン連打でもそれなりにスタイリッシュな攻撃ができる一方、慣れてくるとコンボや武器切り替えを駆使して自分なりの戦い方ができる深みがあります。
特に難しい操作をしなくても非常に爽快感のある動きができるという点がすごくよかったと思います。
片手剣・両手剣・槍・格闘武器などを自由に組み合わせて、プレイヤー好みのアクションスタイルを作り出せます。
また、今作にはポッドという支援ユニットが存在します。
ポッドは、遠距離攻撃・特殊スキル・スキャンなどを行える支援ユニットです。
- 通常攻撃とポッド射撃の組み合わせで、リズム感のある戦闘が可能
- レーザー・ミサイル・重力球などのポッドプログラムを装備して、戦術を変化させられる
- 敵の弾幕を避けながら近接・遠距離を使い分ける立体的な戦いが可能
シューティングゲームさながらの“弾幕避けアクション”が自然に組み込まれており、アクションとシューティングが融合した新しい体験が味わえます。
最後に戦闘中やマップ移動中にカメラ視点が自動で切り替わる演出も魅力の一つ。
- 通常の3D視点から、2Dアクション風の横スクロール視点へ変化
- 見下ろし型(トップビュー)のSTG風バトル
- ダンジョンでのパズル風視点なども演出の一部に
これにより、飽きが来ない多様なゲーム体験が可能になっており、常に新鮮な気持ちで操作を楽しめます。
しかしこれはプレイヤーによっては悪評になる要素かなと思いました。
以上がニーアオートマタをプレイして良かったと感じる点でした。
次に不満だった点や気になった点を挙げていきます。
気になった点
1,ハッキングが難しい
9Sというキャラクターはハッキングという操作をすることができます。
ハッキングで相手にダメージを与えたり、宝箱を開けたり。
9Sを使用するパートではこのハッキングを使用しないと物語を勧めれないことが多々あります。
これは私の感想なのですが、このハッキングが難しいと感じました。
また、ハッキングでしか突破できない箇所があまりにも多すぎると感じました。
相手にダメージを与えるなどのこちら側が有利になる点では難易度がある程度高くてもいいとは思うのですが、物語を進めたり、強制的に行わなければいけない箇所はもう少し難易度を下げてもいいのかなと思いました。
アクションが面白いという理由で購入したのに、その他の箇所で苦戦させられるのは非常にストレスでしたね。
2,マップが見にくすぎる
これはこのゲームの設定上あえて見にくくしているらしいですが、それでも見にくすぎました。
気になった点はこんなところです。
総評|どんな人におすすめか?
『ニーアオートマタ』は、美しい世界観、重厚なストーリー、そしてプレイヤーの心を揺さぶる音楽と演出が見事に融合した、感情に訴えるアクションRPGです。
特におすすめしたいのは:
- 哲学的な物語や“生きる意味”を描いた作品が好きな人
- 泣けるゲーム・切ない物語を求めている人
- スタイリッシュなアクションを手軽に楽しみたい人
- 音楽や演出面に感動したい人
ゲームで“感情を揺さぶられる体験”を求めるなら、間違いなくプレイすべき一作です。
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